ヘルプ
symbiont vsの使い方を機能ごとに詳しく解説します。
はじめに
MIDI接続の準備
- KORG volca sample 2をUSB-MIDIケーブルでMacに接続します。
- symbiont vsを起動すると、Volca Sampleデバイスが自動的に検出・選択されます。
- ツールバーエリアの緑色インジケーターで接続が確認できます。
- 自動検出されない場合は、MIDIモニターウィンドウを開いてOutput/Inputドロップダウンから手動で選択してください。
Multi / Singleチャンネルモード
symbiont vsはVolca Sample 2の設定に合わせた2つのMIDIチャンネルモードに対応しています。MIDIモニターウィンドウで切り替えられます。
- Multiチャンネルモード(デフォルト): 10パートがMIDIチャンネル1〜10に割り当てられます。Volcaの工場出荷時設定と一致する推奨モードです。
- Singleチャンネルモード: 1つのMIDIチャンネルでNRPNメッセージを使用して全パートを制御します。Volcaがシングルチャンネル設定の場合に使用します。
Free / Pro
symbiont vsは無料でダウンロードできます。無料版ではデバイスからのFetch、Preview via MIDI再生、Controller、MIDIモニターが利用可能です。Pro Unlock(買い切り)でシーケンス編集、ファイル保存/読込、サンプルファイルの管理、デバイスへのSendが解放されます。
Sample Manager
Sample Managerタブでは、Volca Sample 2の200サンプルスロットすべてを表示・取得・送信・管理できます。
デバイスからのサンプル取得(Fetch)
- Volca Sample 2が接続されていることを確認します。
- Sample ManagerのFetch Allボタン、またはメニューバーのTransfer > Fetch All Sampleをクリックします。
- 最初にヘッダー情報(名前、長さ等)を取得し、次に各スロットのサンプル音声データをダウンロードします。
- 進捗インジケーターが現在のフェーズを表示します: Header、Data、Retry。
- 大きなサンプルは複数回の転送が必要な場合があり、最大3ラウンドまで自動リトライします。
スロットを選択して個別のFetchボタンをクリックすると、1つのサンプルだけを取得できます。
デバイスへのサンプル送信(Send)
- Send All: キャッシュ済みの全サンプルをSysEx経由でVolcaに送信します。デバイスのデータを上書きする前に確認ダイアログが表示されます。
- Send Selected: 選択中のサンプル1つだけをデバイスに送信します。
- 転送中はオーバーレイが表示され他の操作がブロックされます。転送完了まではデバイスを切断しないでください。
波形プレビュー・再生
- サンプルスロットを選択すると、プレビューエリアに波形が表示されます。
- 再生ボタンでサンプルをアプリ内で直接再生できます(MIDI不要)。
ドラッグ&ドロップインポート
- オーディオファイル(WAV等)をリスト内のサンプルスロットに直接ドラッグしてインポートできます。
- 対象スロットにサンプルが既にある場合は上書き確認ダイアログが表示されます。
- インポートされた音声は自動的に16ビット 31250 Hzモノラル PCM(Volca Sample 2が必要とするフォーマット)に変換されます。
カット / コピー / ペースト / 削除
- Editメニューまたはキーボードショートカットでスロット間のサンプル並べ替えができます。
- カット(⌘+X): 選択スロットからサンプルを取り出しクリップボードに保存。
- コピー(⌘+C): サンプルデータをクリップボードにコピー。
- ペースト(⌘+V): クリップボードのサンプルを選択スロットに配置。
- 削除(Delete): 選択スロットからサンプルを削除。
メモリ使用量
Sample Managerでは、Volca Sample 2の8MBサンプル容量に対する使用量がパーセンテージで表示されます。新しいサンプルの追加余地を確認できます。
Sequence Editor
Sequence Editorはsymbiont vsの中核機能で、16シーケンス×10パートのすべてを3カラムレイアウトで編集できます。
レイアウト概要
- 左サイドバー: SEQ 1〜16のボタンでアクティブなシーケンスを選択。シーケンス名は右パネル上部に表示され、編集可能です。
- 中央エリア: 10パートが縦に並び、各パートのパラメータノブまたはステップボタンを表示。
- 右パネル: ファイル操作(Import / Export)、デバイス転送(Send / Fetch)、トランスポートコントロール(Play / Stop / Continue)、BPM、Reverb Mix。
パラメータノブ
各パートには以下のパラメータのノブが表示されます:
- Level: 音量(0〜127)
- Pan: ステレオ定位(−63〜+63、中央 = 0)
- Speed: 再生速度(0〜127、中央 = 64)またはChromatic Speed(−24〜+24半音)
- PEG I / A / D: ピッチエンベロープ — Intensity(±63)、Attack、Decay
- AEG A / D: アンプエンベロープ — Attack、Decay
- Start / Length: サンプルの開始位置と再生長
- HiCut: ローパスフィルターのカットオフ
- TrgDly: トリガーディレイ — ステップ内でパートの発音開始を遅延
ノブを上下にドラッグして値を変更します。Pan、Speed、PEG Intensityノブは中央位置からアークを描画し、値の方向を視覚的に表示します。
Speed / Chromatic Speed
- Speedノブにはモード切替ボタン(音符アイコン)があり、SpeedモードとChromatic Speedモードを切り替えられます。
- Speedモード: 標準スピードコントロール(0〜127、中央 = 64)。
- Chromatic Speedモード: 半音単位のピッチ制御(−24〜+24、中央 = 0)。
- 両方の値は独立して保持され、モード切替時にどちらの値も失われません。
- モーションデータのタイプでインジケーター色が決定: Speedモーション = 赤、Chromaticモーション = 青。
サンプル選択
各パートにはサンプル選択ドロップダウンがあり、番号と名前(例:「0: Kick」)を表示。200スロットすべてから選択できます。
トグルボタン
- Mute: パートをミュート
- Loop: サンプルのループ再生を有効化
- Reverse: サンプルの逆再生
- Reverb: リバーブバスにセンド
- Motion: パートのモーションシーケンス再生を有効/無効
16ステップシーケンサー
- 各パートのStepsボタンをクリックすると、ノブ表示とステップシーケンサー表示を切り替えられます。
- 各ステップボタンのON/OFFでリズムパターンを作成します。
- 最下部のActive Steps行で、シーケンス全体(パート共通)の16ステップの有効/無効を制御します。
パートコントロール
- パートナンバーパッド: パート番号をクリックするとMIDI経由でサンプルをトリガー。キーボードの1〜0キーでパート1〜10のトリガーまたはSEQ 1〜10への切替が可能です(Settings ⌘+, で設定)。
- パートコピー&ペースト: あるパートの全パラメータ、ステップデータ、モーションデータを別のパートにコピー。Editメニューから利用可能。
モーションエディター
モーションエディターでは、任意のパラメータのオートメーション曲線を描画でき、シーケンス内のパラメータ変化をDAWスタイルで制御できます。
- 起動方法: 任意のパラメータノブを長押し(0.5秒)すると、そのパラメータのモーションエディターが開きます。
- 描画: キャンバス上をドラッグしてオートメーション曲線を描画。各パラメータは64データポイント(16ステップ × 1ステップあたり4補間ポイント)を持ちます。
- 4ポイント補間: 各ステップに4つのデータポイントがあり、1ステップ内で滑らかなパラメータ変化を実現します。4ポイントはステップ時間内に均等配置されます。
- センター基準パラメータ: Pan、Speed、PEG Intensityは中央値からの±値で表示され、ゼロ位置に点線のセンターラインが表示されます。
- Speed / Chromaticモーション: Speedモードでは赤、Chromatic Speedモードでは青でモーションが描画されます。各モードのモーションデータは独立して保存されます。
- Trigger Delayモーション: 16ステップ × 1ポイントの専用エディターで、ステップごとのタイミング制御が可能です。
- クリア: Clearボタンで現在のパラメータのモーションデータをすべてリセットします。
- 再生位置表示: Preview via MIDI再生中は、現在のステップ位置がリアルタイムでハイライト表示されます。
- 閉じる: ×ボタンでノブ表示に戻ります。
Preview via MIDI
- 右パネルのトランスポートコントロール(Play / Stop / Continue)で現在のシーケンスをプレビューできます。
- プレビューはMIDI Note On、CC/NRPNパラメータ変更、モーションデータをリアルタイムでデバイスに送信します。
- 再生中は、ステップシーケンサーとモーションエディターの両方で現在のステップがハイライト表示されます。
- ノブの値はモーションオートメーションに合わせてリアルタイムで更新され、停止時にデフォルト値に戻ります。
- 再生中にMuteやMotionのON/OFFを切り替えてライブで実験できます。
ファイル操作(Import / Export)
- Import: 16シーケンスとサンプルデータを含むvlcspllibファイル(volca sample Librarian形式)を読み込みます。
- Export: 現在のプロジェクトをvlcspllibファイルとして保存します。
- 詳細はファイル操作をご覧ください。
デバイス転送(Send / Fetch)
- Fetch: 選択中のシーケンスまたは全シーケンスをSysEx経由でVolcaからダウンロードします。
- Send: 選択中のシーケンスまたは全シーケンスをSysEx経由でVolcaにアップロードします。デバイスデータを上書きする前に確認ダイアログが表示されます。
- SysEx転送中はオーバーレイが表示され他の操作がブロックされます。
Controller
Controllerタブは、ミキサーフェーダー、大型トリガーパッド、トランスポートコントロールを備えたライブパフォーマンス向けレイアウトです。
レイアウト
- 10パートすべてが左から右に縦型レイアウトで表示されます。
- 各パートにはサンプルセレクター、パラメータノブ(SAMPLE / PITCH EG / AMP EGセクション別)、Levelフェーダー、大型トリガーパッド、Mute/Soloボタンが表示されます。
- 右パネルにはBPMコントロール、クロック状態、Load from SEQ、Send All、Reverb Mixフェーダー、トランスポートボタンがあります。
ミキサーフェーダー
各パートにLevel調整用の縦型フェーダーがあり、ミキサーのチャンネルストリップのように操作できます。
トリガーパッド・キーボードトリガー
- 各パートに大型パッド(72×72px)があり、マウスクリックでサンプルをトリガーできます。
- キーボードの1〜0キーでパート1〜10をそれぞれトリガーできます。
- Note On時にパッドがフラッシュし、視覚的フィードバックを提供します。
Mute / Solo
- Mute: パートの実効レベルをゼロにして消音します。パートごとにON/OFFを切り替え。
- Solo: いずれかのパートがソロの場合、ソロでないすべてのパートが消音されます。複数パートの同時ソロも可能。
BPMコントロール
- BPM表示(大きなテキスト)を上下にドラッグしてテンポを変更できます。
- 範囲: 56.0〜240.0 BPM(0.1刻み)。
- symbiont vsは指定テンポでMIDIクロックメッセージを送信します。
外部クロック同期
- VolcaがMIDI Start/Continue/Stopメッセージを送信すると、symbiont vsは外部クロック同期を検出します。
- クロック状態インジケーターに「SYNC」または「EXT」と表示されます。
- 外部同期モードではVolca側がテンポを制御します。
Load from SEQ
Load from SEQをクリックすると、Sequence Editorのパラメータ値をControllerのノブにコピーします。MIDIメッセージは送信せず、パフォーマンス前のパラメータ準備に使用します。シーケンスが未読込の場合はこのボタンは無効化されます。
トランスポートコントロール
- Play: 最初から再生を開始(MIDI Start + Clock)。
- Stop: 再生を停止(MIDI Stop)。
- Continue: 現在位置から再生を再開(MIDI Continue + Clock)。
- 再生中はLEDインジケーターが赤く点灯します。
MIDIモニター
MIDIモニターは、symbiont vsとVolca Sample 2間のMIDI通信すべてを確認するための独立ウィンドウです。
モニターの表示
ツールバーのVolcaアイコンボタンをクリックして、MIDIモニターウィンドウを開閉します。どのタブと併用しても開いたままにできます。
デバイス選択
- Output: MIDI出力デバイスを選択(Volcaへのメッセージ送信用)。
- Input: MIDI入力デバイスを選択(Volcaからのメッセージ受信用)。
- symbiont vsは起動時にVolca Sampleデバイスを自動検出・選択します。
チャンネルモード
- MultiとSingleチャンネルモードをここで切り替えます。
- Singleチャンネルモードでは、使用するMIDIチャンネル(1〜16)も選択できます。
- この設定はすべてのタブにグローバルに適用されます。
メッセージログ
- 送受信されるすべてのMIDIメッセージがリアルタイムで表示されます。
- メッセージは人間が読みやすい形式で表示されます(チャンネル、CC番号、値、Note On/Off等)。
- クロックフィルタ: クロックメッセージフィルタのON/OFFでタイミングクロック(F8)メッセージの表示/非表示を切り替え、再生中のログノイズを軽減できます。
ファイル操作・vlcspllibフォーマット
プロジェクトファイル操作
- New Data(⌘+N): シーケンスとサンプルデータをすべて初期化します。未保存の変更がある場合は保存・破棄・キャンセルを選択するダイアログが表示されます。
- Open(⌘+O): ディスクからvlcspllibファイルを開きます。
- Save(⌘+S): 現在のファイルに上書き保存。ファイルが未指定の場合はSave Asにフォールバック。
- Save As(⌘+⇧+S): 新しいvlcspllibファイルとしてプロジェクトを保存。
vlcspllibファイルフォーマット
- vlcspllibはvolca sample LibrarianがVolca Sample 2用に使用するファイルフォーマットです。
- 16シーケンスすべて(パラメータ、ステップデータ、モーションデータ)とサンプル音声データが含まれます。
- 完全な互換性: volca sample Librarianで作成したファイルはsymbiont vsで開くことができ、その逆も可能です。
サイドメニュー
ハンバーガーメニューボタン(左上)を開くと、ファイル操作(New / Open / Save / Save As)と転送操作(データ・シーケンス・サンプルのFetch / Send)にすばやくアクセスできます。
トラブルシューティング
MIDI接続の問題
- Volca Sample 2の電源が入っていてUSB-MIDIで接続されていることを確認してください。
- 他のアプリケーションがMIDIデバイスを排他的に使用していないか確認してください。
- MIDIモニターウィンドウを開き、Output/Inputリストにデバイスが表示されているか確認してください。
- macOSのAudio MIDI設定ユーティリティで、システムがデバイスを認識しているか確認してください。
- USB-MIDIケーブルを抜き差しして再接続してみてください。
サンプル転送の問題
- 大きなサンプルほどデータ転送量が多く、MIDI経由でのパケットロスが発生しやすくなります。
- アプリは不完全な転送に対して最大3ラウンドまで自動リトライします。
- Fetchが継続的に失敗する場合は、USB-MIDIケーブルを抜き差しして再接続してからリトライしてください。
- SysEx転送中はオーバーレイがUIをブロックします。転送が完了またはタイムアウトするまでデバイスを切断しないでください。
外部クロック同期の問題
- Volcaの内部クロック使用時、symbiont vsはMIDIクロックメッセージを送信します。VolcaがMIDIクロックを受信する設定になっていることを確認してください。
- 外部同期の場合、Volca側で外部クロック送信を設定し、symbiont vsが受信できるようにしてください。
vlcspllibの互換性
- volca sample Librarianで作成したファイルはsymbiont vsで開けます。
- symbiont vsで保存したファイルはvolca sample Librarianで開けます。
- 両アプリケーションは同じバイナリフォーマットを使用しています。
キーボードショートカット
ファイル
| ショートカット | 操作 |
|---|---|
| ⌘ + N | New Data |
| ⌘ + O | Open |
| ⌘ + S | Save |
| ⌘ + ⇧ + S | Save As |
編集(Sample Manager)
| ショートカット | 操作 |
|---|---|
| ⌘ + X | サンプルをカット |
| ⌘ + C | サンプルをコピー |
| ⌘ + V | サンプルをペースト |
| Delete | サンプルを削除 |
1〜0キー
| キー | Controller | Sequence Editor |
|---|---|---|
| 1〜0 | パート1〜10をトリガー | パート1〜10をトリガー or SEQ 1〜10に切替 |
Sequence Editorでの1〜0キーの動作は、Settings(⌘+,)でPad Trigger(パッドトリガー)とSequence Switch(シーケンス切替)を切り替えられます。Controllerでは常にパッドトリガーです。
Settings
| ショートカット | 操作 |
|---|---|
| ⌘ + , | Settingsを開く(1〜0キーの動作モード設定) |